新感覚アニメ

よくアニメとか漫画のネタは使い古されているとか言うけど、最近は結構新しいアニメ、特に新感覚のアニメとかが作られたりしてる気がする。もちろん、世間で使い古されてると言われてるだけあって、ネタのスケールで言うと細かい部分が新しいという感じですが。


1.カレイドスター
 まとめてしまえば「ガラスの仮面」系のアニメ。ただし、「ガラスの仮面」は演劇を、「カレイドスター」はサーカスを題材にスターを目指す少女を描いてる作品です。 ストーリー要素の高い演劇と動きのあるサーカスとで見事に漫画、アニメの住み分けがされたと思います。アニメで「ガラスの仮面」をやっても「カレイド」には勝てず、漫画で「カレイド」をやっても「ガラスの仮面」には勝てないと思いますね。
 どこが新感覚って、主人公の大技や美しい動きを楽しみに毎週見るなんてアニメは無かった!視聴者がアニメの中の主役になるアニメじゃなくて、舞台にやってきた観客になるアニメだと思います。



2.マーメイドメロディーぴちぴちピッチ
 ツッコミ所の多いアニメは友達と話してると盛り上がるという性質があります。で、「東京ミュウミュウ」のデンジャラスな作画(※)で2chの住人等が熱く語り合うという文化が出来たという下地の上に「ぴちぴちピッチ」が始まりました。「東京ミュウミュウ」と違うのは作画は「ミュウミュウ」より下の方で安定しているのですがとにかく超展開。主人公の歌はぴちぴちヴォイスと表現するしかない凄い音痴だわ、歌で敵を撃退するわ、放送途中で音が途切れて放送事故起こすわ、「まぁ、ピッチだし」を合言葉に、その超展開を語り合ったりしました。ネット文化が生んだ楽しみですね。
※「東京ミュウミュウ」では回によって超美麗神作画と駄目作画が入り混じっていた。良い時と悪い時で違いすぎた。詳しくはhttp://d.hatena.ne.jp/K-Text/20041231#p2を参照。


 で、ぴちぴちピッチは2つ目の要素も追加しました。ミュージカル的歌アニメです。今までの歌アニメって結局歌が話に絡むことは少なかったというのがあります。アイドルアニメならあくまで主人公の必殺技の位置づけで止まっていました。アイドルアニメのパロディー版である「超くせになりそう」では東京湾から水しぶき上げてせり上がる舞台で歌う敵アイドル等、超必殺技を見せてくれました。マクロス7に至っては歌をエネルギーにビーム攻撃をするという本当の必殺技を見せてくれました。つか、これに至っては訳が分かりません。で、ぴちぴちピッチでは何が違うって、歌の中にストーリーのコンセプトを練りこむという事を行ったのです。マーメイドが「愛を伝えるため、命がまた生まれる♪」(アニメ「ぴちぴちピッチ」挿入歌「Legend of Mermaid」より引用 )とか命を喜ぶ歌を歌を歌ったりして世界観に深みを与えているのです。(つか、本編より歌の内容の方が世界観があるかもしれない。)主題をマーメイドに置いたおかげでアイドルとは一線を引けたのだと思います。
 で、「ぴちぴちピッチPure」になって「希望の鐘音」という歌が出ます。

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「希望の鐘音 〜Love goes on〜」
作詞:三井ゆきこ 作曲:勝 誠二 編曲:榎本英彦

夢の終わりを 願うのはなぜ?
荒れ果てた場所にも 花は咲くのに

七色の風 七色の空
希望は世界に あふれてるのに

間違えた、夢を見てただけ・・
愛の在処や 記憶の謎と
突き刺さる 冷たい孤独に
あなたは苦しんでたの

※純白の翼を休めて やさしく眠って
"生きたい"と願い 誕まれたでしょう?さあ!
希望の鐘音 最後の歌を いま・・
強い者だけの 世界じゃないから
Listen to my Love この歌を・・

青い瞳の 奥に隠した
壊れそうに深く きれいな心

破れた空に流した涙
悲しみのすべて 消さなくていい

間違えた夢を、終わらせて・・
すべてを忘れ 裸で眠って
あたらしい 夢が宿る頃
あなたは自由になれる

純白の・・
心をあげたい まっすぐ 見つめて
真実はとても 優しい奇跡 ねえ
心をあずけて 最初のキスを して・・
"何か"が伝わる 瞬間の鼓動
Listen to my heart その胸に・・

※repeat

愛する 気持ちから 世界はきっと 始まり
すべてを 引き寄せて 大きな愛の輪となる
間違い 傷ついて 戦い 涙 流して
それでも 終わらない
誰かを愛する気持ち

LaLaLa・・・

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(アニメ「ぴちぴちピッチ」挿入歌「希望の鐘音 〜Love goes on〜」より引用 )


この歌は古代人類の復活のために残された古代人類のコピーであるミケルと、古代人の末裔で孤独を感じている病弱少女天城みかるに歌った歌です。


 ミケルはPureの大ボスですね。強大な力を持ち、必殺技は体内に相手の体取り込みです。で、このミケル、ミケルに取り込まれたインド洋のマーメイド「聖羅」以外の歌が全く効きません。そんなミケルはみかるとつながりがありました。

 みかるは病気がちでいつも一人です。みかるが病気で死にそうになった時、みかるの父親は「父親自身の体」と「みかるの心の一部」を引き換えに病気を治してやるという古代人類のメッセンジャーに騙され化石からミケルを復活させてしまいます。果たして病気に効能があったのかとりあえずみかるは病気は治ってませんが生き伸びたようです。その後、海斗と出会って恋をするみかるですが、海斗の心はるちあにありました。ミケルは孤独に悲しむみかるをそそのかして体内に取り込んでしまいます。
 さて、ミケルに取り込まれたみかるを救いに行くマーメイドたちですが、歌が通じませんし、みかる自身が「ミケルの中で安らぎの時を迎えようとしているの、帰って!」とか言って救出を拒んできます。とりあえずミケルの化石を壊すことで聖羅の救出に成功したマーメイドプリンセス達。聖羅は言います。「ミケルの心を救わなければならないの」何故ミケルに聖羅以外の歌が効かなかったのかというと、相手を思いやらない歌は心に届かないということでした。聖羅は取り込まれたときにミケルの孤独を知ったのです。


 そして、マーメイドプリンセス達はミケルとみかるを救う歌「希望の鐘音」を歌います。


「希望の鐘音」の中には「"生きたい"と願い 誕まれたでしょう?さあ!」「強い者だけの 世界じゃないから」のようなミケルとみかるを救う優しいメッセージが織り込まれています。
ミケルの心の中で一人座っているみかるに歌が聞こえてきます。
「・・この歌声は・・ミケル、私は一人じゃなかったわ。だって、あんなに私の事を想って歌ってくれる人達がいるんだもの」
それでも救われないミケルにマーメイドの神アクアレジーナ様が「もう、孤独でないことを気づかせてあげなくては」と、歌に加わって歌はさらに盛り上がります。バックではLaLaLaのコーラス付きで聞いてみないと分からないでしょうけど、やべえ、俺が救われた!!!みたいな感じです。


↓盛り上がり部分
「愛する 気持ちから 世界はきっと 始まり
すべてを 引き寄せて 大きな愛の輪となる
間違い 傷ついて 戦い 涙 流して
それでも 終わらない
誰かを愛する気持ち
LaLaLa・・・」
(同「希望の鐘音」引用)


ミュージカルと違うのはセリフを不自然に歌に乗せるって事はやってないという事ですね。途中に主演に歌を歌わせて話に組み込むという、ミュージカルと言うか、歌アニメのジャンルと言うか・・。歌が話を盛り上げたり、後になっても歌から場面が思い出されるというミュージカルの良い部分と歌アニメの主演が歌うだけなので不自然さは無いという良い部分をバランスよく吸収した作品と言えます。



3.月詠-Moon Phase-
 まず、オープニングテーマ。これは歌じゃない!!・・・と思う!!「ねこみみモード」って言ってるだけやん!!って思う!でもそのうち確かにどこか歌な気もしてきた。すでにこれ単体で新感覚。
 次はアニメでドリフネタ。家を断面で描くってのはその昔使われてた手法な気もするけどタライ落としはあまり無かったと思うんだけど・・。まぁ、そのネタ単体では使われてたけどアニメで徹底してやるとそれはそれで作品の色になってた気がする。


4.岩窟王
 趣味が悪いくらいテクスチャ(コンピュータグラフィックスで、物体の表面の質感を表現するために貼り付ける画像)貼まくりの超絶映像が新感覚。って、実はこの手法はTVアニメじゃなければ海外で時々作られてるやつなんで実は新感覚じゃないけどね。